HYROXの通しシミュレーションとは、1kmランと8つの種目を本番と同じ順番と距離で一度に行う練習です。公式サイトは大会の形式を「1km走り、続けて1つの種目を行い、8回繰り返す」と説明し、種目の順番をスキーエルグ1000m、スレッドプッシュ、スレッドプル、バーピーブロードジャンプ80m、ローイング1000m、ファーマーズキャリー200m、サンドバッグランジ100m、ウォールボール100回と一覧にしています。
結論から言うと、通しは本番前に1回、器具が揃う施設で、記録表を用意して行います。公式サイトはスレッドプッシュについて「レース前に一度は試しておく」と案内しており、通しはそれを8種目まとめて確かめる機会です。この記事では、器具の並べ方、順番、記録表、器具がないときの置き換え、実施する時期を手順で整理します。体験会に参加して通す方法は明治公園ハイロックス体験会2026で扱っており、この記事は自分で組む場合の手順です。
この記事の要点

- 順番はスキーエルグ、スレッドプッシュ、スレッドプル、バーピーブロードジャンプ、ローイング、ファーマーズキャリー、サンドバッグランジ、ウォールボール。それぞれの前に1kmランが入る(公式サイト)
- 走る距離は合計8,000m。ルールブックは各区間を「およそ1,000m」とし、会場によっては複数周回になる(公式ルールブックシングルス版)
- 重量は区分の公式値に合わせる。男子Openはスレッドプッシュ152kg、スレッドプル103kg、ファーマーズキャリー2×24kg、ランジ20kg、ウォールボール6kg(公式サイト)
- 器具が揃わないときは、通し、半分、4分の1の3段階で縮める。順番は変えない
- 記録は1kmごとと種目ごとのタイムを1枚の表に残す
- 実施は本番前に1回。本番が近い週には入れない
対象読者
初めてのHYROXを控えていて、本番前に一度は全体を通したい人、ジムに器具はあるが並べ方と順番が分からない人、器具が一部しかなくて通しをあきらめている人です。HYROXの全体像はハイロックス(HYROX)とは、8つの種目の攻略は8種目一覧を参照してください。
読了後にできること
自分の区分の重量で器具を並べ、本番の順番で通し、1kmごとと種目ごとのタイムを記録して、本番の目標タイムと歩く区間を決められます。
本番の順番と距離を確かめる
公式サイトの一覧をもとに、男子Openの例で並べると次のとおりです。区分ごとの重量は同じページで確認できます。
| 順番 | 内容 | 男子Openの重量・距離 |
|---|---|---|
| 1 | 1kmラン→スキーエルグ | 1000m |
| 2 | 1kmラン→スレッドプッシュ | 2×25m、152kg(そり込み) |
| 3 | 1kmラン→スレッドプル | 2×25m、103kg(そり込み) |
| 4 | 1kmラン→バーピーブロードジャンプ | 80m |
| 5 | 1kmラン→ローイング | 1000m |
| 6 | 1kmラン→ファーマーズキャリー | 200m、2×24kg |
| 7 | 1kmラン→サンドバッグランジ | 100m、20kg |
| 8 | 1kmラン→ウォールボール | 100回、6kg |
女子Openの重量
女子Openはスレッドプッシュ102kg、スレッドプル78kg、ファーマーズキャリー2×16kg、ランジ10kg、ウォールボール4kgです(公式サイト)。公式ルールブックシングルス版は、スレッドのレーンを「12.5mのレーンを4本」と表現しており、公式サイトの2×25mと合わせて合計50mです。
ジムでの再現手順

- 器具を順番どおりに配置する。スキーエルグ、そり、ローイングエルゴ、ケトルベル、サンドバッグ、ウォールボールを、本番の順に回れる位置に置きます。そりは人工芝かそりを押せる床が要ります
- 1kmの周回を決める。トレッドミルでも、屋外でも、施設内の周回でもかまいません。本番の会場も周回コースです。距離が測れることを優先します
- 重量を区分の公式値に合わせる。ジムのそりと床の摩擦は会場と違うため、重量は目安です。押したあとに1km走る流れを優先します
- 記録表を用意する。1kmごとのタイム8つと種目ごとのタイム8つを書く欄を作ります。ウォッチのラップ機能を使う場合はスポーツウォッチの選び方を参照してください
- 本番の順番で通す。種目と種目の間に1kmを走り、種目の入口と出口を意識して動きます。本番のROXZONEの動きはROXZONE攻略で解説しています
通しの前後に入れること
通しの前後には、本番と同じウォームアップとクールダウンを入れます。手順は当日のウォームアップとクールダウンで扱っています。補給も本番と同じ物を試し、当日の補給戦略で組み立てます。
器具が揃わないときの3段階

器具が一部しかない場合は、順番を変えずに規模を縮めます。
| 段階 | 内容 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 通し | 8種目と1km×8 | 器具が揃う施設で本番前に1回 |
| 半分 | 前半4種目か後半4種目と1km×4 | 器具が半分揃うとき。前半と後半を別の日に |
| 4分の1 | 連続する2種目と1km×2 | 器具が少ないとき。脚が重くなる区間を優先 |
置き換えの考え方
置き換えの目的は「脚が重い状態」と「心拍が高い状態」を作ることです。スレッドが無ければサンドバッグやプレートを抱えたランジ、スキーエルグとローイングが無ければ心拍を上げる種目で代用します。置き換えの一覧は自宅トレーニング完全ガイド、揃える順番は自宅ジム器具リストで扱っています。ただし、スレッドプッシュは公式サイトが「レース前に一度は試しておく」と案内している種目なので(公式サイト)、そりを押せる施設を一度は探してください。探し方はジムの探し方、都市別の施設はジムおすすめ一覧を参照してください。
種目のあとに走る感覚だけを部分的に練習する型はコンプロマイズドラン練習の5つのセッション型で扱っています。通しはその仕上げです。
当日の動きも合わせて再現する
通しでは器具だけでなく、当日の動きも合わせて練習できます。公式ルールブックシングルス版は、計測チップを「レース中ずっと足首に着ける」こと、スタート10分前にスタートトンネルに集合すること、ウェーブが始まったらトンネルに残らず前に進むことを定めています。種目の入口と出口も決まっていて、「INのアーチから出る、OUTのアーチから入る」と2分のペナルティです。通しの練習でも、種目に入る位置と出る位置を決めておき、毎回同じ動線で回ると、本番で迷う時間が減ります。当日の受付から動線までは当日の流れ・持ち物チェックリスト、計測チップの扱いは計測チップとリストバンドで扱っています。
記録の読み方と本番への反映
記録表からは3つを読み取ります。1つ目は合計タイムで、本番の目標の目安になります。目標の決め方はタイム目安まとめを参照してください。2つ目は最も遅い1kmで、その直前の種目が自分の弱点です。3つ目は種目のタイムのばらつきで、極端に遅い種目は本番で歩く判断の候補になります。本番のスプリットの分析はリザルトの見方・分析法で扱っています。
通しの結果が悪くても、本番の区分を変える必要はありません。区分は購入後に変更できないため、通しは区分を決めたあとの確認として使います。
実施する時期
通しは本番前に1回が目安です。本番が近い週に入れると回復が間に合わないため、直前期の調整プランの減らす時期より前に置きます。連戦の場合は連戦のリカバリー設計を参照してください。
体調が悪い日は行わず、痛みがある場合は中止します。痛みが続く場合は医療機関に相談してください。この記事は医学的な判断を示すものではありません。
よくある失敗
- 順番を変えて通した。本番はスキーエルグから始まりウォールボールで終わります。順番を変えると後半の脚の重さが再現できません
- 1kmを短くした。走る距離は合計8,000mです。距離は変えず、規模を縮めるときは種目の数を減らします
- 重量を軽くして「通せた」と判断した。区分の公式値に近づけます。女子Openのスレッドプッシュは102kg、男子Openは152kgです
- 本番の直前の週に通した。回復が間に合いません。減らす時期の前に置きます
- 記録を残さなかった。1kmごとと種目ごとのタイムがないと、歩く区間と弱点が決められません
よくある質問
Q1. 通しは何回やればよいですか。
本番前に1回が目安です。部分的な練習はコンプロマイズドラン練習の5つのセッション型で回数を積みます。
Q2. そりがないジムでも通せますか。
順番を変えずに、そりの部分をサンドバッグやプレートを抱えたランジで置き換えます。ただしスレッドプッシュは公式サイトが「レース前に一度は試しておく」としている種目です(公式サイト)。一度はそりを押せる施設を探してください。
Q3. 1kmはトレッドミルでもよいですか。
よいです。距離が測れることを優先します。本番の会場も周回コースです。
Q4. ダブルスの通しはどう組みますか。
ランは2人で一緒に走り、種目は分担します。分担の型はHYROXダブルス戦略を参照してください。
Q5. 通しのタイムが本番の目安になりますか。
目安になりますが、ジムのそりと床、周回の形が会場と違うため、そのまま本番のタイムにはなりません。区間ごとの相対的な弱点を見るのに使います。
Q6. 通しの途中でやめてもよいですか。
痛みがあれば中止します。体力が続かない場合は、半分か4分の1の段階に縮めて別の日に残りを行います。
Q7. 本番の何週前に通せばよいですか。
この記事では週数を決めていません。直前期の調整プランで負荷を減らし始める時期より前に置きます。
参考・出典
- HYROX 公式サイト The Fitness Race(種目の順番と距離、区分別の重量、スレッドプッシュを事前に試す案内、2026年9月19日確認)
- HYROX 公式ルールブック配布ページ(走る距離8,000m、区間の周回構成、スレッドの12.5mのレーン4本、種目の入口と出口、2026年9月19日確認)
- BYD HYROX Osaka 公式イベントページ(8×1kmのランと8種目という大会の形式、2026年9月19日確認)
最終更新日: 2026年9月19日
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