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HYROXのクールダウン|レース後と練習後のストレッチ手順

HYROXのクールダウン|レース後と練習後のストレッチ手順

HYROXのクールダウンとは、レースや高強度練習を終えたあとに、上がりきった心拍と体温を段階的に下げ、酷使した部位を静的ストレッチで伸ばし、体を日常の状態へ戻すまでの一連の整理運動を指します。

結論から言うと、クールダウンは「下げる」「ほぐす」「戻す」の3段で組み、フィニッシュから20分以内に終えるのが現実的です。レース会場では動線も時間も自由になりません。だからこそ、何をどの順番でやるかを先に決めておくと、混雑した会場でも抜け落ちません。

この記事の要点

クールダウンを心拍を下げる・部位をほぐす・日常へ戻すの3段に分けて並べた図
クールダウンは3段で組む
  • クールダウンは3段構成です。歩いて心拍を下げる段、負担が集中した部位を伸ばす段、着替えと水分で日常へ戻す段の順に進めます
  • HYROXは1kmのランと1種目を8回繰り返す競技で、HYROX Singles Rulebook 26/27(公式PDF)ではランジのサンドバッグが10kg/20kg/30kg、ファーマーズキャリーが2×16kg/2×24kg/2×32kg、ウォールボールが100回と決まっています。伸ばすべき部位は、この負荷のかかり方から逆算できます
  • 静的ストレッチの持ち方は、厚生労働省のe-ヘルスネット「ストレッチングの実際」が示す5原則が目安になります。1か所20秒以上、痛くなく気持ちよい範囲、呼吸を止めない、伸ばす部位を意識する、目的に応じて部位を選ぶ、の5つです
  • レース後と通常練習後では目的が違います。レース後は「その日のうちに歩いて帰れる状態にする」、練習後は「翌日の練習に影響を残さない」が到達点です
  • レース翌日以降の過ごし方はレース後リカバリー完全ガイド、レース前の準備はHYROX当日のウォームアップに譲り、この記事は「終わってからの20分」に集中します

対象読者

HYROXを完走した直後に何をすればいいか分からなかった人、ジムでの高強度練習のあと、着替えてそのまま帰っている人です。競技そのものが初めての方は先にハイロックス(HYROX)とはをご覧ください。

読了後にできること

フィニッシュラインを越えた瞬間から20分間の行動を、時間と部位まで決めた手順として持ち帰れます。会場でも自宅でも同じ順番で回せる形になります。

クールダウンは「下げる」「ほぐす」「戻す」の3段で組む

3段に分けるのは、それぞれ目的が違うからです。混ぜると、どれも中途半端になります。

目的 主な内容 目安の長さ
下げる 心拍と呼吸を落ち着かせる 歩行、ゆっくりした呼吸 5分前後
ほぐす 負担が集中した部位を伸ばす 静的ストレッチ 8〜12分
戻す 体温と水分・衣類を整える 着替え、水分補給、荷物の回収 3〜5分

「下げる」を飛ばしていきなり床に座り込む人は多いのですが、ここを省くと、その後のストレッチで呼吸が整わず、伸ばす部位に意識が向きません。e-ヘルスネットは静的ストレッチの原則のひとつに「呼吸を止めないこと」を挙げています。呼吸が整っていない状態は、その前提から外れます。

3段の順番を変えてよい場面

制限時間つきの会場や、フィニッシュ直後に表彰・撮影が入る場合は、「下げる」だけを先に確保し、「ほぐす」をロッカールームや宿に持ち越します。順番は守り、場所と時間だけをずらす考え方です。

フィニッシュ直後20分の手順

フィニッシュ直後から20分までを時間で区切り、各区間の行動を並べた流れ図
直後から20分までの行動

会場で迷わないように、時間で区切って書き出します。

  1. 0〜5分:立ち止まらずに歩き続けます。フィニッシュエリアは人が滞留しやすいので、壁際を選びます。水は一気に飲まず、少量ずつにします
  2. 5〜8分:荷物を回収し、汗を拭いて羽織るものを着ます。屋内会場でも、動きを止めた直後は体温が下がります
  3. 8〜18分:床が使える場所を確保して静的ストレッチに入ります。下半身の大きい部位から始め、上半身を後に回します
  4. 18〜20分:靴を履き替え、水分と軽い糖質を入れます。ここまでを「クールダウンが終わった」と定義しておくと、判断に迷いません

ウォールボールを終えて靴を脱いでいた場合は、ルール上そのままフィニッシュへ進むため、靴を持った状態で動線に出ることになります。荷物を片手に持ったままでは歩き方が崩れるので、最初の5分は「荷物を持たずに歩く」を優先してください。

混雑していて床が使えないとき

立ったままできる種目に差し替えます。壁に手をついてのふくらはぎ伸ばし、立位での大腿前面の伸ばし、片手を反対の肩へ回しての肩まわりの3つがあれば、最低限の「ほぐす」は成立します。床を探して10分歩き回るより、立位で8分やるほうが現実的です。

8種目のどこに負担が集中し、どこを伸ばすか

8種目で負担が集中する部位と、対応する種目を左右で結んだ図
負担が集中する部位

種目ごとに、負担が出やすい部位と対応するストレッチを並べます。時間はいずれも片側20秒以上が目安です。

種目 負担が出やすい部位 対応する静的ストレッチ
スキーエルグ 広背筋、体幹、前腕 片手を頭上に伸ばして体側を倒す
スレッドプッシュ 大腿前面、ふくらはぎ 立位で足首を持ち大腿前面を伸ばす
スレッドプル 広背筋、前腕、臀部 四つ這いから腕を前に伸ばして背中を伸ばす
バーピーブロードジャンプ 肩、胸、大腿前面 壁に手をついて胸の前面を開く
ローイング 背中、ハムストリングス 長座から前屈してハムストリングスを伸ばす
ファーマーズキャリー 前腕、僧帽筋、体幹 手のひらを上に向けて前腕を伸ばす
サンドバッグランジ 臀部、大腿前面、肩 膝立ちから前へ体重を移して股関節前面を伸ばす
ウォールボール 大腿四頭筋、肩、ふくらはぎ 壁に足先をつけてふくらはぎを伸ばす

全部やると10分を超えます。優先順位は「その日いちばんつらかった種目」から2つ、加えてランで必ず使うふくらはぎとハムストリングスの計4部位です。e-ヘルスネットも「全身のストレッチングをくまなく行うには何時間も必要」として、目的に応じた部位の選択を原則に挙げています。

種目別の動き方そのものを見直したいとき

伸ばして終わりにせず、フォームの側から負担を減らす手もあります。ランジの姿勢はサンドバッグランジ攻略ガイド、握力の消耗はファーマーズキャリー攻略ガイドにまとめています。

静的ストレッチの5原則を外さない

静的ストレッチの5つの原則を土台から積み上げた層の図
外さない5つの原則

e-ヘルスネットの「ストレッチングの実際」が挙げる原則は次の5つです。会場では雑になりがちなので、そのまま貼っておきます。

  1. 時間は最低20秒。最初の5〜10秒は「適度な伸展度合いに定めるための時間」と説明されています
  2. 伸ばす部位を意識する
  3. 痛くなく気持ちよい程度に伸ばす。痛いほど伸ばすと伸張反射が働き、かえって筋が硬直すると説明されています
  4. 呼吸を止めない。腹部を圧迫する種目では呼吸が止まりやすく、血圧の上昇につながる場合があるとされています
  5. 目的に応じて部位を選ぶ

同ネットの「ストレッチングの効果」では、ストレッチングは2〜3メッツの強度があり、準備運動や整理運動の一要素として活用されていること、30分程度かけて全身を順に伸ばす形では心拍数の低下など自律神経のバランスの変化がみられたことが報告されています。ここで言えるのは「整理運動として位置づけられている」までで、疲労回復や筋肉痛の予防を保証するものではありません。体に痛みや違和感が残る場合は、自己判断でストレッチを続けず医療機関に相談してください。

レース後と練習後で変えること

レース後と通常練習後でクールダウンの目的と長さが変わることを左右で対比した図
目的と長さが変わる

同じクールダウンでも、目的が違えば長さも中身も変わります。

項目 レース後 通常の高強度練習後
到達点 その日のうちに歩いて帰れる状態 翌日の練習に響かない状態
「下げる」の長さ 5分前後(会場の動線に従う) 3〜5分(自分で決められる)
「ほぐす」の部位数 つらかった種目から2つとラン系2部位 その日に使った部位のみ
全体の長さ 15〜20分 8〜12分
翌日の扱い 練習は入れない前提で計画する 翌日の内容に合わせて調整する
場所の自由度 低い(混雑・時間制限あり) 高い

練習後のクールダウンは毎回8〜12分でも、週4回なら月に3時間を超えます。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は成人に筋力トレーニングを週2〜3日実施することを推奨していますが、その合間に何をしないかも同じくらい練習計画を左右します。強度の置き方そのものはトレーニング強度と休養の配分も合わせてご覧ください。

よくある失敗

  • 座り込んでから立てなくなる:フィニッシュ直後に床へ座ると、心拍が高いまま姿勢だけ止まります。最初の5分は歩くと決めておきます
  • 全身をまんべんなく伸ばそうとする:時間切れで中途半端に終わります。4部位に絞ったほうが結果的に長く伸ばせます
  • 痛いところまで伸ばす:原則の3番から外れます。痛みは「やめる合図」です
  • クールダウンを翌日に回す:翌日のストレッチは別物です。当日の20分の代わりにはなりません
  • 冷えたまま長居する:屋内でも動きを止めれば体温は下がります。羽織るものはウォームアップ用と別に用意しておくと確実です。持ち物の組み方はレース当日の持ち物チェックリストにまとめています

よくある質問

Q. クールダウンは何分あればいいですか?
A. レース後は15〜20分、通常の高強度練習後は8〜12分を目安にしてください。どちらも「下げる5分・ほぐす8〜12分・戻す3〜5分」の配分で、時間が足りないときは「ほぐす」の部位数を減らして構成は崩さないようにします。

Q. 静的ストレッチは1か所何秒がよいですか?
A. e-ヘルスネットの「ストレッチングの実際」は最低20秒としています。最初の5〜10秒は伸展度合いを定める時間と説明されているため、10秒で切り上げると意図した長さに届きません。

Q. レース直後に動的ストレッチをしてもいいですか?
A. 整理運動としては静的ストレッチが用いられることが多く、e-ヘルスネットも健康づくりの現場では傷害リスクの少ない静的ストレッチが用いられることが多いとしています。動的な動きは翌日以降の練習再開時に回すほうが整理しやすいです。

Q. 会場に床のスペースがありません。どうすればいいですか?
A. 立位でできる3種目(壁を使ったふくらはぎ、立位の大腿前面、肩まわり)に差し替えてください。場所を探して歩き回る時間があるなら、その場で立位のまま8分行うほうが確実です。

Q. 筋肉痛はクールダウンで防げますか?
A. 防げると断定できる根拠は示せません。e-ヘルスネットが整理運動の一要素として位置づけている範囲を超える効果は期待しないでください。翌日以降の筋肉痛との付き合い方はレース後リカバリー完全ガイドで扱っています。

Q. お風呂やサウナはクールダウンの代わりになりますか?
A. 代わりにはなりません。心拍が高いまま高温の環境に入るのは避け、「下げる」段を終えてからにしてください。会場での暑さ対策の考え方は暑さ対策ガイドで扱っています。

Q. ダブルスやリレーで自分の区間が早く終わった場合は?
A. チームの競技が終わるまではウォームアップ状態を保つ必要があるため、クールダウンは全区間の終了後にまとめて行います。待機中は歩行と水分補給にとどめてください。

参考・出典

最終更新日: 2026年9月11日

当サイトはHYROX™の非公式ファンメディアです。HYROXはUpsolut Sports AGの商標です。

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