この記事は、HYROXの上位選手とコーチが公開記事・ニュースレター・ポッドキャストで語った内容を、出典を明示して要約したものです。ROX GUIDE編集部が新規に取材したものではありません。発言の創作や、出典に書かれていない数字の追加は行っていません。
結論から言うと、2025年秋から2026年夏にかけて公開された発言には、はっきりした共通線があります。「HYROXは筋力の競技ではなく、走力が勝敗を決める競技だ」という認識へ、選手側もコーチ側も揃って寄っているということです。器具と会場の仕様が変わり、種目にかかる時間の差が縮まったことが、その背景として繰り返し語られています。
この記事の要点

- 選手側の代表例として、BOXROXが2026年5月13日に公開したHunter McIntyreの記事があります。午前にトラックでの本数練習、午後にHYROX特化の筋力練習という2本立てが語られています
- コーチ側はHYROX Coaching Collectiveが2026年8月3日に公開した寄稿で、複数のコーチが「筋力重視から持久重視へ変えた」と述べています
- 変化の理由として挙げられているのが器具と会場の仕様です。スレッドが軽くなり、ターフが変わったことで、走力の比重が上がったという説明が複数の発言に出てきます
- Hybrid Fitness Mediaが2025年10月30日に公開したJake Deardenの回では、練習量と強度のどちらを取るかという論点、スレッドの機構やコースの差、アスリートライセンスの新ルールが扱われています
- 共通して語られているもうひとつの点は「エリートの練習をそのまま真似するな」という警告です。自分の発達段階を無視した移植は機能しないという趣旨の注意が、選手側からもコーチ側からも出ています
- 競技そのものの構造はハイロックス(HYROX)とは、選手の顔ぶれは世界のトップ選手ガイドにまとめています
対象読者
上位選手の練習を参考にしたいが、SNSの断片的な情報では判断できずにいる人、コーチングの潮流が今どこにあるかを把握しておきたい指導者や中上級者です。
読了後にできること
「誰が、どこで、いつ、何と言ったか」を出典付きで把握できます。そのうえで、自分の練習に移していい部分と、移すと壊れる部分を切り分けられます。
共通して語られているのは「走力が決める」という認識

HYROX Coaching Collectiveの2026年8月3日の寄稿は、複数のコーチに「HYROX選手の指導の考え方はどう変わったか」を聞いた形式の記事です。そこに出てくる発言の要点は次のとおりです。
| 発言者 | 公開されている要点 |
|---|---|
| Vivian Tafuto | 重い筋力偏重から有酸素系の発達へ重点を移した。低強度の量を増やし、純粋な筋力の比重を下げた。バーンアウトを経験したことがきっかけと述べている |
| Lauren Griffith | 器具の変化(軽いスレッド、新しいターフ)でランの能力が決定的になった。ランとラン能力が勝敗を分ける要因になったと述べている |
| Lauren Weeks | 構造化されたラン練習の重要性を挙げ、始めた頃から自分の原則と方法の多くが変わったと述べている |
| Dylan Scott | 筋力中心から持久中心へ移った。競技が筋の要求から代謝の要求へ寄り、閾値付近の練習を重視するようになったと述べている |
| Anthony Peressini | 有酸素の土台を最優先に置く。種目のタイム差が縮まったため、エリートでは走りが結果を決めると述べている |
| Greyson Kilgore | 絶対的な筋力の必要量を求めること自体をやめ、出力を長く維持する能力に焦点を移したと述べている |
つまり「HYROXは筋力持久のハイブリッド」という初期の捉え方から、「特定の筋力持久要件を伴う持久系競技」という捉え方へ、コーチ側の総意が移動しているという整理になります。
日本の練習に置き換えると
この潮流をそのまま受け取ると、週の設計で最初に守るべきなのはランの量になります。器具がない環境ほどこの点は好都合です。走る場所は確保しやすいからです。土台づくりの回し方はゾーン2トレーニングの週の組み方、種目後の脚で走る練習はコンプロマイズドランニング入門にまとめています。
現役トップ選手が語った1日の組み立て

BOXROXが2026年5月13日に公開したHunter McIntyreの記事には、1日を2セッションに分ける構成が記されています。
| セッション | 記事に書かれている内容 |
|---|---|
| 午前 | 中強度・高ボリュームのトラック練習。400mを16本、本数の間は100mのつなぎ走。全力のスピードではなく、効率のよい動きと制御された出力に焦点 |
| 午後 | HYROX特化の筋力練習。パワークリーン、スレッドプッシュ、スレッドプル、バーピー、体幹種目 |
同記事では、優先順位についての本人の言葉として「持っているエネルギーのすべてを、10か所ではなく数か所に注いでいる」という趣旨の発言が引かれています。今季の主眼はスレッドの改善で、スレッドを止めずに動かし切ることを狙うとされています。また、前年の同時期より「重く、強く、速くなっている」と述べていることも記載されています。記事は2026年のHYROX大会での成績にも触れ、マイアミでの勝利を53:59として挙げています。
「真似するな」という注釈が付いている
見落としてはいけないのが、同じ記事に節度と特化を強調する注意が併記されている点です。トップの選手は過剰な量ではなく的を絞った努力で高い水準を保っているという趣旨で、自分の発達段階を考えずにエリートのワークアウトをそのままなぞることを避けるべきだと述べられています。400m×16本という数字だけを持ち帰るのは、この記事の読み方としては正しくありません。
器具と会場の変化が練習の中身を変えた

「なぜ走力の比重が上がったのか」については、複数の発言が同じ経路を示しています。
- 器具の仕様が変わった。軽いスレッドや新しいターフが導入され、スレッド種目でつくれる差が縮まった(Lauren Griffithの発言)
- 種目のタイム差が圧縮された。上位帯では種目でのタイム差が小さくなり、差がつく場所がランへ移った(Anthony Peressiniの発言)
- 結果としてランが勝敗を分ける。ランとラン能力がmake-or-breakの要因になった(同上)
Hybrid Fitness Mediaが2025年10月30日に公開したJake Deardenの回でも、スレッドの機構やコースごとの差が話題に上がり、練習量と強度のどちらを重視するかという論点が扱われています。同回ではJames Kellyとのダブルスのパートナーシップ、上位15名の競争環境、Lauren Weeksの勝負強さ、Hunter McIntyreのオフシーズンのコンディショニング、そしてアスリートライセンスの新ルールにも触れられています。
器具の前提が変わると自分の記録も比較できなくなる
この点は一般参加者にも関係します。シーズンをまたいで自分のスプリットを比べるとき、器具や会場の前提が変わっていれば単純比較になりません。区間ごとの読み方はHYROXの心拍マネジメントと併せて、条件の違いを記録に残す習慣をつけると判断を誤りにくくなります。
公開発言を自分の練習に移すときの3つの確認

公開されている発言は「完成した選手の現在地」です。そこから逆算するために、次の3点を確認してから移植してください。
- 土台の量が足りているか。有酸素の土台を最優先に置くという発言は、土台がある前提での優先順位ではなく、土台そのものを最初に置けという主張です。週のラン量が足りていないなら、閾値の練習より先にそこを埋めます
- その練習が何を狙っているか言えるか。400m×16本は「効率のよい動きと制御された出力」を狙ったものだと記事に明記されています。狙いを言えないまま本数だけ真似ると、目的と合わない負荷になります
- 自分の弱点に注いでいるか。数か所に集中するという発言の含意は、集中先が人によって違うということです。スレッドが弱いのか、ランが弱いのかで注ぐ先は変わります
よくある失敗
- 本数と重量だけをコピーする。公開記事はどれも、狙いと制約をセットで語っています。数字だけ抜くと負荷の意味が変わります
- 「筋力は要らない」と読み替える。コーチ側の発言は、筋力を捨てたのではなく、特定の筋力持久要件を伴う持久系競技として扱い直したという整理です
- 古い時期の発言と新しい発言を混ぜる。2025年秋の発言と2026年夏の発言では、前提にしている器具やルールが違うことがあります。日付を見て読んでください
- SNSの切り抜きを一次情報として扱う。発言の出典は元記事・元ポッドキャストです。切り抜きは文脈が落ちていることがあります
- 選手の言葉を自分の指導に引用するとき、出典を示さない。誰がどこで言ったかを添えないと、聞いた側が検証できません
よくある質問
Q. この記事はROX GUIDEの独自取材ですか。
いいえ。公開されている記事・ニュースレター・ポッドキャストの内容を、出典を示して要約したものです。新規の取材は行っていません。
Q. 発言は原文のまま載っていますか。
いいえ。要約です。正確な言い回しは各出典をご確認ください。
Q. トップ選手の共通点はありますか。
公開されている発言の範囲では、走力を土台に置く点と、注ぐ先を絞る点が共通しています。
Q. コーチの発言はどこで読めますか。
HYROX Coaching Collectiveのニュースレターで公開されています。2026年8月3日の回に複数のコーチの回答がまとまっています。
Q. 400m×16本は初心者でもやるべきですか。
出典の記事自体が、発達段階を考えずにエリートのワークアウトをなぞることを避けるよう述べています。まずは自分の週のラン量を確認してください。
Q. 日本語で読める同種のインタビューはありますか。
本記事で扱った3つの出典はいずれも英語です。日本語の公式情報はHYROX公式(日本)で確認できます。
Q. 選手のタイムや成績はどこで確認できますか。
公式のリザルトポータルで確認できます。探し方は結果はどこで見る?にまとめています。
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- HYROX世界のトップ選手ガイド|知っておきたい注目アスリート
- HYROXのためのラン強化|コンプロマイズドランニング入門
- HYROXのゾーン2トレーニング|土台づくりの週の組み方
- ハイロックス(HYROX)とは?種目・ルール・参加方法
参考・出典
- Hunter McIntyre Reveals How He is Training to Win the HYROX World Championships | BOXROX(2026年5月13日)
- How Has Your Approach to Training Hyrox Athletes Changed? | HYROX Coaching Collective(2026年8月3日)
- Jake Dearden on HYROX, Hunter McIntyre, and the Evolution of Hybrid Fitness | Hybrid Fitness Media(2025年10月30日)
- よくある質問 | HYROX(公式・日本)
最終更新日: 2026年9月28日
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