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HYROXのコンプレッションウェア|選び方と表示の注意

HYROXのコンプレッションウェア|選び方と表示の注意

コンプレッションウェアとは、生地の伸縮で体に圧をかける設計のスポーツウェアの総称です。タイツ、ショーツ、トップス、カーフスリーブなど形状はさまざまで、HYROXでも着用している人を多く見かけます。

結論から言うと、選ぶ基準は「効能の宣伝文」ではなく、「サイズが合っているか」「動作を邪魔しないか」「レースで着用が認められる範囲か」の3点です。着圧を利用した製品の表示については、過去に消費者庁が景品表示法に基づく措置命令を出した事例があり、うたい文句をそのまま信じるのは危険です。

この記事の要点

着圧ウェアを選ぶ判断軸を関門として並べた図
着圧ウェアを選ぶときの5つの軸
  • 消費者庁は2019年3月22日、加圧による痩身効果や筋肉増強効果をうたうシャツ等の表示について、景品表示法に基づく措置命令を複数社に出しています。「着るだけで」という型の訴求は、まず疑ってください
  • 当サイトは着圧ウェアの効能を断定しません。医学的・治療的な効果を期待する使い方については、医療機関や専門家へご相談ください
  • レース中の服装については、HYROX Singles Rulebook 26/27(公式PDF)が「適切な服装をする責任は競技者にある」と定めたうえで、アクセサリー類は列挙されたものだけが使用可能、明記のない物は既定で禁止としています。ユニフォームとウェイトベストは、他者の安全や競技を妨げない限り許可されると明記されています
  • 実務上の選定軸は、サイズ、縫い目の位置、生地の厚み、汗の抜け、着脱のしやすさの5つです。特にサイズは「きつければ良い」ではありません
  • 素材や汗冷えの一般論はHYROXの服装・ウェア完全ガイドに、製品単体の事例はSA1NT P1ウルトラの解説にまとめています。この記事は「着圧」という切り口に絞ります

対象読者

着圧タイツを買おうか迷っている人、すでに持っているが本番で使うか決めかねている人です。ウェア全般をこれから揃える方は、先に服装・ウェア完全ガイドをご覧ください。競技そのものが初めての方はハイロックス(HYROX)とはから始めてください。

読了後にできること

店頭やオンラインで着圧ウェアを見たときに、根拠を求めるべき表示と、自分で確認できる仕様を切り分けられます。そのうえで、本番で着るか練習で着るかを判断できます。

まず表示の話から:何をうたっていたら疑うか

広告表示を確認できる仕様と根拠を求めるべき主張に振り分けた図
確認できる仕様と、根拠を求めるべき主張

順番を逆にしています。仕様の話より先に表示の話をするのは、ここでつまずくと選定そのものが狂うからです。

消費者庁は2019年3月22日付で、加圧による痩身効果および筋肉増強効果を標ぼうするシャツ等の表示に対し、景品表示法(優良誤認)に基づく措置命令を出しています。対象となったのは、着用するだけで痩せたり筋肉が増えたりするかのような表示でした。

表示のタイプ 扱い方
着るだけで痩せる/筋肉がつく 根拠を確認できないうちは信じない。過去に措置命令の対象となった型
疲労が取れる/回復が早まる 個人差が大きい領域。断定的な表現があれば根拠の所在を確認する
着圧値(hPa・mmHg)を数値で明記 仕様として確認できる情報。部位ごとの数値が書かれていれば比較材料になる
素材構成・混率を明記 仕様として確認できる情報
縫い目位置・パネル構成の図示 仕様として確認できる情報。擦れの予測に使える

判定の基準はシンプルです。「測れば確認できること」は仕様、「体で感じるはずだと言っていること」は主張です。後者だけで構成された販売ページは、金額に見合うか分かりません。

当サイトの立場

ROX GUIDE編集部は、着圧ウェアの効果を肯定も否定もしません。着用時の感覚を好む人がいることは事実ですが、それは「効果が証明された」という意味ではありません。持病がある方、血行や皮膚に不安がある方は、着用の可否を含めて医療機関へご相談ください。

レースで着られるのか:ルール上の扱い

ルールブックは服装について、環境要因や文化的な配慮を含め、適切な服装をする責任は競技者にあると述べています。そのうえで、使用・着用できるアクセサリー類として次の項目を挙げています。

  1. ニースリーブ
  2. グローブ(グリップは除く)
  3. ウェイトリフティングベルト
  4. リストバンド
  5. ハイドレーションパック
  6. 処方された吸入器等
  7. 呼吸補助器具(注記あり)

そして「明記されていない物は既定で禁止」とされています。加えて注記では、他の競技者の安全や競技進行を妨げない限り、ユニフォームとウェイトベストは引き続き許可されるとも書かれています。

判断に迷う形状のとき

一般的なタイツやトップスといった衣類は、この「アクセサリー」列挙とは別の枠で扱われるのが通例ですが、判断に迷う形状の物(サポーター的な構造が強い物、器具に近い物)は、事前に大会側へ確認するのが確実です。ルールブックには、リスト外の物はレースディレクターの書面による事前許可がない限り禁止で、没収されうると書かれています。ここは推測せず、必ず公式に確認してください。

靴とソックス型の製品

なお、靴については「ウォールボール区間を除き、常時つま先の覆われた靴を履くこと」と明記されています。カーフスリーブやソックス型の着圧製品を使う場合も、靴を履く前提は変わりません。ソックスの選び方はグローブ・ソックス・小物ガイドを参照してください。

選ぶときの5つの軸

1. サイズ

最重要です。きつければ良いわけではありません。メーカーの表では身長と体重、またはウエストとヒップの2軸で決まることが多く、境界にいる場合はどちらを優先するかで着用感が変わります。迷ったら、動作テストで決めます。深くしゃがむ、片脚を大きく前に出す、腕を頭上に上げる、の3つで生地が食い込まないかを見ます。

サンドバッグランジは100mを歩き切る種目で、股関節を大きく使い続けます。ここで生地が張ってしまうと、歩幅が勝手に狭くなります。動作の詳細はサンドバッグランジ攻略にまとめています。

2. 縫い目の位置

擦れは、長さではなく回数で起きます。8,000mを走り、8種目を挟む競技では、擦れやすい場所に縫い目があると後半で確実に痛みます。内もも、脇の下、肩の上の3か所は、購入前に縫い目の位置を確認してください。

3. 生地の厚みと汗の抜け

屋内会場は想像より暑くなります。厚い生地は熱がこもり、薄い生地は着圧が弱くなる傾向があります。夏場の大会に出るなら、薄手寄りを選び、汗冷え対策は上に羽織るもので調整するほうが融通が利きます。暑熱対策の全体像は夏大会の暑熱対策にまとめています。

4. 着脱のしやすさ

着圧が強い製品ほど、汗をかいた後に脱ぎにくくなります。遠征で更衣室が混雑している場面では、これが地味に効きます。会場の更衣室とバッグドロップについては、ルールブックにも「更衣室と手荷物預かりは用意されるが、紛失・盗難の責任は主催者が負わない」旨が記載されています。荷物の考え方は遠征のパッキングリストで扱っています。

5. 用途を分ける

同じ着圧ウェアを、レース用、練習用、移動・回復用で兼用しようとすると、どれかで不満が出ます。予算が限られるなら、まず練習用を1本買い、本番で使うかどうかは練習で判断するのが堅実です。

いつ着るか:場面を分けて考える

レース当日から練習日・移動日までの着用場面を時系列に並べた図
着用を検討する場面を並べる
場面 考え方
レース本番 練習で最低3回は使い、擦れと着脱を確認してから。ぶっつけ本番は避ける
高強度の練習 本番と同じ組み合わせで試す日を作る。ここで問題が出れば本番前に分かる
低強度の土台練習 必須ではない。長時間の着用になるので、締めつけが気になる人は無理をしない
移動日・遠征の往復 好んで使う人がいる一方、長時間の着用は体質によって合わないことがあります。不快感があれば外してください
就寝時 製品の注意書きに従ってください。就寝時の着用を想定していない製品もあります

「レース後に着ると回復が早い」という話を目にすることがありますが、当サイトでは断定しません。レース後の過ごし方そのものはレース後リカバリー完全ガイドにまとめており、そこで扱っている睡眠・栄養・活動量のほうが、着るものより影響が大きい要素です。

よくある質問

Q1. 着圧ウェアはHYROXのレースで着てもいいですか。
一般的な衣類として着用している人は多くいます。ただし形状によっては判断が分かれるため、器具に近い構造の製品は事前に大会側へ確認してください。ルールブックはリストに明記のない物を既定で禁止としています。

Q2. 着ると速くなりますか。
当サイトでは断定しません。過去に、着用するだけで痩せる・筋肉がつくという型の表示に対し、消費者庁が措置命令を出した事例があります。

Q3. サイズはきつめと緩め、どちらを選ぶべきですか。
数値だけで決めず、深くしゃがむ・片脚を大きく前に出す・腕を上げるの3動作で確認してください。動作が制限されるサイズは、きつめでも緩めでも不適です。

Q4. カーフスリーブだけでも意味がありますか。
部分的に使う人はいます。ただし靴を履く前提は変わらないため、ソックスとの重なり方と、ずり落ちの有無を練習で確認してください。

Q5. 練習では使わず、本番だけ着てもいいですか。
おすすめしません。擦れと着脱の問題は、走行時間が長くなるほど出ます。本番で初めて着ると、そこで初めて気づくことになります。

Q6. 価格帯はどのくらいを見ればいいですか。
製品によって幅が大きく、当サイトでは特定の金額を断定しません。仕様(着圧値の明記、素材構成、縫い目の設計)が書かれているかを、価格と併せて見比べてください。

Q7. 肌が弱いのですが注意点はありますか。
素材の混率と、縫い目が肌に当たる位置を確認してください。かゆみや発赤が出た場合は使用を中止し、医療機関にご相談ください。

Q8. ウェイトベストは着てもいいのですか。
ルールブックの注記に、ユニフォームとウェイトベストは他の競技者の安全や競技進行を妨げない限り引き続き許可される旨が記載されています。ただし、通常のレースで着用する理由は多くありません。

参考・出典

最終更新日:2026年9月12日

当サイトはHYROX™の非公式ファンメディアです。HYROXはUpsolut Sports AGの商標です。

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