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HYROXの体幹トレーニングメニュー|選び方と順番

HYROXの体幹トレーニングメニュー|選び方と順番

HYROXの体幹トレーニングとは、レース中に「腰が反る」「背中が丸まる」「上体がねじれる」「体が横に倒れる」という4方向の崩れを抑える力を、荷重がかかった状態で保てるようにするための練習です。

結論から言うと、HYROXで問われる体幹は腹筋運動の回数ではなく、重りを持ったまま姿勢を保てる時間です。ですから、鍛え方も「動かす」より「動かされないように耐える」内容が主役になります。

この記事の要点

反る・丸まる・ねじれる・横に倒れるの4方向の崩れを抑える力として体幹を捉える全体像を示した図
体幹は4方向の崩れを抑える力
  • HYROX Singles Rulebook 26/27(公式PDF)によると、サンドバッグランジではサンドバッグを常に選手が完全に支える必要があり、地面・バリケード・足などに載せて荷重を逃がすと、1回ごとに15秒のペナルティが科されます。担ぎ続けられるかどうかが記録に直結します
  • 同ルールブックでは、ファーマーズキャリーは両腕を体側に伸ばした状態で200m運ぶこと、スレッドプッシュとスレッドプルは各50m(4×12.5m)で、そりを含む重量が区分ごとに定められています
  • Concept2公式のローイングテクニック解説では、フィニッシュで上体をわずかに後傾させる際に「体幹の支えをしっかり使う」と説明されています。SkiErgのテクニック解説でも、引き始める前に体幹を締めることが手順として挙げられています
  • 頻度の目安として、厚生労働省のe-ヘルスネット「筋力トレーニングについて」では、健康増進効果が確認された研究の多くが週2〜3日のプログラムだったと整理されています。同ページでは、血圧の急激な上昇を抑えるため息をこらえないよう注意することも挙げられています
  • 可動域そのものが足りない場合は先にそちらを扱います。判断はHYROXの可動域ルーティンにまとめています

対象読者

スレッドプッシュで腰が落ちる、サンドバッグランジで上体が前に倒れる、ローイングの後半で背中が丸まる、といった崩れが出る方。競技全体の流れはハイロックス(HYROX)とはにまとめています。

読了後にできること

自分が崩れる方向を特定し、それに対応する体幹種目を選んで、週2回の練習の終わりに入れるメニューを組み立てられるようになります。

HYROXで体幹が崩れる4つの瞬間

スレッドプッシュ・サンドバッグランジ・ファーマーズキャリー・ローイングで崩れる方向の違いを並べた図
種目ごとに崩れる向きが違う

崩れ方には方向があります。方向が違えば、効く種目も変わります。

種目 起きやすい崩れ 抑えたい方向
スレッドプッシュ(50m) 腰が反る、または腰が落ちる 反りを抑える(抗伸展)
スレッドプル(50m) 引くたびに上体がねじれる ねじれを抑える(抗回旋)
サンドバッグランジ(100m) 上体が前に倒れて背中が丸まる 丸まりを抑える(抗屈曲)
ファーマーズキャリー(200m) 体が左右に振れる、肩が下がる 横倒れを抑える(抗側屈)
ローイング(1,000m) 後半に背中が丸まる 丸まりを抑える/股関節との連結
ウォールボール(100回) 受け止めた瞬間に腰が反る 反りを抑える(抗伸展)
バーピーブロードジャンプ(80m) 起き上がりで腰が反る 反りを抑える(抗伸展)

荷重があるかどうかが分かれ目

体幹の種目を自重でこなせても、20kgのサンドバッグを担いだ瞬間に形が崩れることがあります。HYROXでは、崩れる場面のほとんどに荷重がかかっています。メニューを選ぶときは「荷重下で耐える種目が入っているか」を必ず確認してください。

ペナルティに直結する場面

ルールブックでは、サンドバッグランジ中にバッグを地面やバリケードなどに載せて荷重を逃がすと1回ごとに15秒のペナルティ、と定められています。体幹が持たずに担ぎ直す動作が増えると、時間と記録の両方に効いてきます。落とさない担ぎ方はHYROXサンドバッグを落とさない練習にまとめています。

体幹メニューの4分類

抗伸展・抗回旋・抗側屈・股関節との連結の4分類に代表種目を割り当てた構成を示した図
4分類と代表種目

抗伸展(腰が反るのを抑える)

腹筋の前面で、腰が反る動きに抵抗します。スレッドプッシュ、ウォールボール、バーピーで効いてきます。

  1. プランク:肘とつま先で支え、腰が落ちない位置で30〜60秒
  2. デッドバグ:仰向けで腰を床につけたまま、対角の手脚を伸ばします。左右各8〜10回
  3. アブホイール(膝つき):腰が反る手前まで転がします。8〜10回

抗回旋(ねじれを抑える)

片側だけに力がかかる場面でねじれを止めます。スレッドプル、片手で荷物を持つ動作に効いてきます。

  1. パロフプレス:ゴムバンドを横から引き、体の前で押し出して10秒保持。左右各3セット
  2. バードドッグ:四つ這いで対角の手脚を伸ばし、腰をねじらず保持。左右各8回

抗側屈(横倒れを抑える)

片側だけ、あるいは左右不均等な荷重で体が横へ倒れるのを止めます。ファーマーズキャリーの中心です。

  1. サイドプランク:20〜45秒×左右各2セット
  2. スーツケースキャリー:片手だけに重りを持って25〜50m歩きます。反対側へ倒れないよう保ちます

抗屈曲と股関節の連結

背中が丸まるのを止め、体幹と股関節をつなげます。サンドバッグランジとローイングに効いてきます。

  1. フロントラックキャリー:サンドバッグやケトルベルを胸の前で抱えて25〜50m歩きます
  2. ヒップヒンジの保持:軽い重量で股関節から前傾し、背中をまっすぐ保ったまま20秒
  3. ルーマニアンデッドリフト:8〜10回×3セット。背中の形を崩さない範囲の重量で

週の組み方と進め方

入門から中級、上級へと保持時間と荷重を段階的に上げる進め方を示した図
秒数から荷重へ順に上げる

体幹は練習の終わりに置きます。先に体幹を疲れさせると、その日のスレッドやローイングで姿勢が保てなくなり、練習の質が落ちます。

レベル 頻度 1回の量 中身の配分
入門 週2回 8〜10分 抗伸展から2種目、抗側屈から1種目
中級 週2回 10〜15分 4分類から各1種目
上級 週2〜3回 12〜15分 4分類から各1種目と荷重キャリー1本

厚生労働省のe-ヘルスネットでは、筋力トレーニングは負荷をかけたうえで休息日も設けること、慣れてきたら少しずつ負荷を高めること(漸進性過負荷の原則)、個人の特性に合わせること(個別性の原則)が挙げられています。一律の目標回数を全員に課さない、という考え方はそのまま使えます。

伸ばし方の順番

秒数 → 荷重 → 不安定さ、の順に進めます。

  1. まず保持時間を伸ばします(例:プランク30秒 → 45秒 → 60秒)
  2. 時間が安定したら荷重を足します(例:スーツケースキャリーの重量を上げる)
  3. 最後に不安定要素を入れます(例:片脚支持、片手支持)

3つを同時に上げると、どれが効いたのか分からなくなり、疲労も抜けにくくなります。プランへの組み込みはHYROX中級者向け10週間トレーニングプラン、時間が取れない週の圧縮は忙しい社会人のHYROX準備プランを参照してください。

呼吸の扱い

e-ヘルスネットでは、血圧の急激な上昇を抑えるために息をこらえないよう注意することが挙げられています。保持系の種目で無意識に息を止めやすいので、声に出して数える、あるいは呼吸の回数で時間を数える方法が使えます。

レース期の扱い

練習の終わりに体幹を置き、レース直前期は量を落とす週の配置を左右で対比した図
直前期は量を落とす

直前期は体幹の量を落とします。目的が「作る」から「保つ」に変わるためです。

時期 頻度 内容
基礎期 週2〜3回 4分類をひと通り。荷重を上げていく
仕上げ期 週2回 荷重キャリーを本番重量に寄せる
直前期 週1〜2回 種目を変えない。時間を半分に落とす
レース後 数日空ける 痛みが残る部位があれば無理に再開しない

直前期に新しい体幹種目を足さないのは、慣れない刺激で当日の体の感じが変わるのを避けるためです。調整の考え方はレース前のテーパリングにまとめています。レース後の戻し方はレース後リカバリー完全ガイドを参照してください。

よくある失敗

  • 腹筋運動の回数で鍛えようとする:HYROXで問われるのは耐える力です。上体を起こす種目だけでは、担いだまま歩く場面に対応できません
  • 練習の最初に体幹を入れる:その日の主要種目で姿勢が保てなくなります。終わりに置きます
  • 自重だけで終える:本番は荷重がかかった状態です。キャリー系を1本は入れます
  • 抗側屈を飛ばす:ファーマーズキャリー200mは左右の荷重に耐える種目です。サイドプランクやスーツケースキャリーを外さないでください
  • 息を止めて保持する:e-ヘルスネットでも息をこらえないよう注意が挙げられています。数えながら行います
  • 痛みを我慢して続ける:腰や股関節に痛みが出る場合は中止し、医療機関や運動指導の専門家に相談してください
  • 可動域の不足を体幹の問題として扱う:しゃがめない、膝が地面に届かないという症状は可動域側です。HYROXの可動域ルーティンで切り分けてください

よくある質問

Q. 体幹トレーニングは週に何回やればよいですか。
A. 厚生労働省のe-ヘルスネットでは、筋力トレーニングの健康増進効果が示された研究の多くが週2〜3日の頻度だったと整理されています。HYROXの準備でも、練習の終わりに10〜15分を週2回、という形が組み込みやすい目安になります。

Q. プランクは何秒できれば十分ですか。
A. 秒数そのものより、荷重下で形が保てるかどうかを基準にしてください。プランクが60秒できても、20kgのサンドバッグを担いで100m歩けるとは限りません。キャリー系の距離と重量を記録するほうが実戦に近い指標になります。

Q. 腹筋が割れていれば体幹は強いと言えますか。
A. 見た目と、荷重下で姿勢を保てるかは別の話です。判断はキャリー系の距離、スレッドプッシュでの姿勢、サンドバッグを担いだときの上体の角度で行ってください。

Q. サンドバッグを担ぐと上体が倒れます。体幹の問題ですか。
A. 抗屈曲と股関節の連結が主な課題であることが多い一方で、担ぎ位置が高すぎる、股関節の伸展が出ていない、という別の要因も混ざります。軽い重量で形が作れるかを先に確かめてください。

Q. ローイングの後半で背中が丸まります。
A. Concept2公式の解説では、フィニッシュで上体を後傾させる際に体幹の支えを使うこと、キャッチでは股関節から前傾して肩が股関節より前にあることが説明されています。抗屈曲の種目とヒップヒンジの保持を合わせて行うと形が作りやすくなります。種目の攻略はHYROXローイング完全攻略にまとめています。

Q. 器具がなくても体幹は鍛えられますか。
A. プランク、サイドプランク、デッドバグ、バードドッグは自重で行えます。荷重キャリーの代わりになるものが自宅にない場合の考え方はHYROX自宅トレーニング完全ガイドにまとめています。

Q. 腰が痛いときも続けてよいですか。
A. 痛みがある状態で続けないでください。この記事は一般的なトレーニングの考え方をまとめたもので、症状の診断や治療を目的とするものではありません。医療機関や運動指導の専門家に相談してください。

参考・出典

※ 種目の動作基準・重量・距離はシーズンや区分によって変更される場合があります。参加前に必ず公式の最新ルールブックをご確認ください(予定・要公式確認)。この記事は一般的なトレーニングの考え方をまとめたもので、医学的な効果を保証するものではありません。

最終更新日: 2026年9月11日

当サイトはHYROX™の非公式ファンメディアです。HYROXはUpsolut Sports AGの商標です。

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